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鋳物ホーロー鍋の考察 その2

鋳物ホーロー鍋はなぜいいかを、その1で書きました。今日は1日遅れて申し訳ないのですが・・・、ル・クルーゼとシャスールとストウブ、という3つの人気のフランス製ホーロー鍋を比較してみます。

まずそれぞれの歴史ですが、ル・クルーゼは1925年、シャスールは1924年、ストウブは1974年。ル・クルーゼは、鋳物とエナメルの専門家によって家庭用の鋳物調理器具の会社として立ち上げられ、当初から世界戦略をみすえていたみたいです。シャスールは薪ストーブなどを中心にした鋳物製品の専門メーカー(実際に今でも薪ストーブを多く販売)。日本への輸入はつい数年前です。(私は正式に輸入が始まる前からテスト使用させていただいてました。) ストウブは2社に比べれば新しいのですが、有名シェフらと共同開発によって作られたプロ仕様の鋳物鍋。
余談ですが、ル・クルーゼジャパンはフランス本社の資本がはいっており現在は社長さんも外国の方、シャスールは三栄コーポレーションという会社が輸入販売をしています。ストウブは現在はドイツのツヴィリングJ.A.ヘンケルス社がフランスのストウブ社を買収。その後日本でも2008年10月からツヴィリングヘンケルスジャパンで取り扱いです。

いろんなショップ、特に百貨店でル・クルーゼ・シャスール・ストウブのどれを取り扱うのかは、これらの会社との繋がりによって変わっています。「あれ、ここはル・クルーゼだったのにストウブになった。」とか、「シャスールだったのにル・クルーゼに戻った。」なーんてのがよく見受けられるのは、問屋さんや輸入元との繋がりが大きいのです。私からみると、決して商品の良し悪しではないような気がしてます。さ、では本題へ。

まず、バリエーション、重量・容量などを見てみましょう。3社の中で最も多彩な形を作っているのがル・クルーゼです。ラウンド型やオーバル型だけでなく、ハートやガーリック、トマト、ピーマン・・・過去いろんな形を手掛けてきました。タジンが流行るとすぐ日本でもタジンを発表するところなど、さすがの戦略ですね。5,6年前に80周年復刻版をキチパラでも売りましたが、かなりの人気でした。あの時はル・クルーゼ独り勝ちだったなぁ・・・。私も持ってますけど。
あぁまた話がそれた。
鮮やかな色が多く、当初チェリーレッドとオレンジが圧倒的に人気だったのですが、いまはビタミンカラーも売れているようです。フルーツグリーンやディジョンイエロー。以前のラインナップでもう製造終了したカラーや形はすぐに直営のアウトレットに驚くべき価格で並びます。みんな定価で買わないわけです。最近は、型落ちアイテムを自社HPで半額、通常品も安く販売してますから、ホントもう驚きです。
ピンクやグリーン(ピスタチオ)の色などはシャスールのほうが断然キレイです。シャスールは特にパステルカラーの色がとてもよくでてると思います。ルクのレッドはグラデーションっぽく塗られていて、シャスはマット感があります。この2社は一部を除いて内側のコーティングはクリーム色です。フタの裏をみると、ルクはやや色がくすんでいるので塗りが甘いと思います。(昔のはそうでもなかったような)内側のコーティングが黒いのは、ストウブ。これはザラザラした特殊な加工をしていて、汚れやアクが付きにくいだけでなく、表面積も増え熱効率も少しよくなります。油なじみもいい。ただし、バターやオリーブオイルなどの色が分かりにくいとか、テーブルにそのまま出した時に中が黒いので料理が引き立たないという声もあります。この点は好みの問題。
ストウブはプロ用に作られただけあってパステルカラー(ビタミンカラー)はありません。このブランドに関しては、最初から黒や赤を好むお客様が多いようです。難を言うなら、ストウブだけはかなり塗りがまばらです。


ラウンド型の形を比べると、ルクとストウブは底部にかけてやや逆台形になっており、シャスはストーンとしてます。シャスールだけが底面積が広いのです。18cmの底面積が、ルクが13.7cm、シャスが15.2cmというくらい違います。
20cmのココットロンドで3社を比べてみると、ルクの重量が2.8kg(容量2.4L)シャスが3.5kg(容量2.3L)、ストウブ3.5kg(容量2.2L)。満水状態でこの容量が本当だとすると、容量と重量の関係から、1Lに対する重さが
ル・クルーゼが1に対して、シャスールが1.3、ストウブが1.36 となります。つまりル・クルーゼだけは比較的軽いってことです。軽くていいことは持ちやすいってことですが、料理効率からすると重いほうがいいのですよね。これはまた後ほど。そういえば、ストウブの20cm表記が他の2社に比べて小さいのは外直径表記に近いみたいなんですよね。ストウブだけ直径が小さいのはそんなわけです。


つまみ(持ち手)のこと。これらの鍋はオーブン調理が可能です。フタをしてオーブンに入れると、熱が中までゆっくり伝わり、美味しさは抜群。ただし、本体はどれも耐熱温度が高いのですが、取っ手がやや違います。ルクとシャスが一般的にとりつけている取っ手は樹脂製。ルクの取っ手は190℃の耐熱。(普通200℃とかにかけるから、あぁ・・・って感じ)シャスールの取っ手は200℃。最近の入荷分は本来もっと高く設定してよいそうですが、庫内が狭くて熱源が近い場合などを考えてこの温度にしているようです。その点、さすがプロ用のストウブは取っ手が真鍮かニッケル。どんなオーブンでも大丈夫。そのかわり、いつも熱が伝わるので熱いですけど。

次は3つの料理の出来上がりの違いを書きます。
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by kitchenparadise2 | 2011-04-21 20:02 | 鋳物琺瑯鍋

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